「カスタムはだいたい自分でやってるな。マフラーやフェンダーも自分で加工してんな」。
こともなげにそう話す木本さん。素人とはとても思えないほどの仕上がり。美しいとさえ思えるほどだ。特に、塗装を剥離しバフ掛けしたタンクは荒々しさとワイドグライドが本来持つ流麗なフォルムが強調され、見る者を立ち止まらせ、そして驚かせる。
「もちろん、俺一人で全部やったわけでじゃねぇよ。仲間もいっぱい手伝ってくれたし、プロにお願いすべきところはした。コイツは、そんなみんなの気持ちが詰まった単車ってわけだな」。
たくさんの「想い」が詰まる愛車。その時にいた友の笑い声や一つひとつの言葉は何にも変えがたいものだ。彼のカスタム、愛車には、彼の生きてきた「軌跡」がひっそりと眠る。