カスタムショップ ブルオリジナルを率いる米澤拓也氏は、かつてオフロードレーサーとして全日本選手権に出場した経験を持つ異色のビルダー。ショップに足を運ぶと、チョッパーハーレーとともにオフロードバイクが並ぶユニークな側面も。
このフルカスタムXL1200Rは、人気の米パーツメーカー『ローランド・サンズ・デザイン』パーツをふんだんに使用したRSDとのコラボレーションモデルで、マフラーやエアクリーナー、ハンドルバー、ホイール、バックステップなど各所に同メーカーパーツが用いられている。そんな一台をさらにキャラクターの強いものへと昇華させているのは、ブルオリジナルらしい“あるべきスポーツスターの姿”としてのアプローチだ。
F19/R18インチとされた前後ホイールにはトレールバイクをほうふつさせるブロックタイヤが備わり、前後フォークともすっくと長さを確保。ローダウン仕様モデルが続くスポーツスターにしっかりとした高さを持たせてやることでバンク角を確保し、スポーツライドが楽しめる仕様としてまとめている、
そして、この一台を強く印象づけるのが、オリジナルのボートテールシートカウルだ。70年代FXのスーパーグライドに見られたスタイルをスポーツスター用パーツとして開発、ボルトオンで装着可能なこのアイテムは、リアエンドの印象を決定づけるインパクトを有する。
「ボートテールを現代のテイストで蘇らせたら……というのが当初のコンセプトでした。XR1200じゃちょっと大きいので、XLモデルとXR1200のちょうど中間というイメージの一台ですね」
フラットなハンドルバーはかなり前方にあり、ボートテールにバックステップという組み合わせから、ライディングポジションは前屈気味の攻撃的なものに。そんなライダーの気持ちを昂らせるかのように、しっかりとセッティングされたキャブレター ラバーマウント1200モデルは、キャブ車とは思えない心地よい走り出しと加速感を味わわせてくれる。リア18インチのおかげで旋回性はアップしており、ホイールベースの長さや車重はほとんど気にならない。リジッドスポーツから見れば大柄なラバーマウントだが、しっかりとスポーツライドが楽しめるモデルに仕上げられている。新オーナーとなられる方には、ぜひその点を楽しんでいただきたい。