求めた乗り心地まで実現した
理想的なチョッパーローライダー
現行モデルで言えば、チョッパーダイナの代名詞ストリートボブに近しいスタイルか。しかしながら、加工マウントされたスポーツスタータンクにFirestone製タイヤ、サイクルシャック製ドラッグパイプとそのキャラクターはボブの比ではない。加えて、クロームパーツを多く配するローライダーに黒いディテールをバランスよく配してコントラストをしっかり打ち出す演出までなされている。派手ではないが、申し分ないほどバランスよくまとまっている一台と言えよう。
「僕からの要望は、自分に合ったライディングポジションにしてほしいという一点だけでした」
片足が不自由だというオーナーの番長は、根っからのツーリング好き。だから、ロングライドでもしんどくならないバイクに仕上げてほしいと頼んだのだそう。それでいて、かつて KLAMZY が手がけたチョッパーダイナに強く惹かれていたということから、ビルダー川瀬祐弥氏はミッドコントロール仕様のローライダーをベースに、乗りやすくも個性が際立つチョッパーダイナという両立を目指した。
ハーレーの乗り方を知るビルダーだからこそ導き出せた独特のライディングポジションは、番長が求めていたものであり、改めて川瀬氏の手腕の高さに唸らされたという。長距離を走るならビッグタンクでは? と思うところではあるが、「このシルエットを見たら、利便性を犠牲にしたとしても致し方ないかと納得しますね」(番長)という申し分ない仕上がりがオーナーの満足度を高めている。
イメージと工夫が理想のマシンを生み出す好例とも言えるカスタムダイナ、その完成度に文句のつけようなどない。
カスタムの詳細をチェック!
イエローレンズ付き汎用型ヘッドライトをローマウント
オーナーたっての希望だという黄色いヘッドライト。それをそのままマウントするのではなく、全体のシルエットを損ねないようギリギリのクリアランスで取り付けた 見どころともいうべきディテール。
汎用型 8インチ ロボットハンドル
完成当初、もっとも抵抗があったというハンドルバーも、乗りこなしていくうちに馴染んできて、今ではすっかりベストポジションだという。コンパクトなグリメカのマスターシリンダーも雰囲気だ。
エボスポ・フューエルタンク流用 & S PAINT WORKS グラフィック
ダイナのフレームに合うようトンネル加工をほどこした。チョッパーライクでありながらスポーティな印象を一気に強めている。そこにS PAINT WORKSによるグラデーショングラフィックが加わり、個性を際立たせる。
サンダンス ダイナ用シート Solo High Bug
オーナーがもっとも気にしたライディングポジションのキモとも言えるシートにはサンダンス製をチョイス。車体のシルエットを美しく見せつつホールド感にも秀でている逸品だ。
リアフェンダーをショート化 & スパルトテールランプ
チョッパースタイルを目指すうえでリアエンドのショート化は不可欠。タンデム用シートへの載せ替えも可能にできるよう、ノーマルフェンダーをそのままカッティングし、クラシカルなスパルトでフィニッシュ!
FORK マルチフェースエアクリーナーキット
「ハーレーらしい雰囲気のものを選んでくれれば」(オーナー)という要望から導き出された砂型鋳造パーツメーカーFORKのラウンドエアクリーナー。オリジナリティの高いデザインがこのチョッパーダイナの雰囲気を際立たせる。
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