アメリカで見たビンテージヘルメットを
日本人に合ったサイズで、リーズナブルに提供したい
トンプソンをはじめ、ビンテージ感溢れるオリジナルヘルメットやハーフヘルメット、さらにレザーウォレットといったバイカーアイテムなど、幅広い商品展開を見せ、多くのユーザーに支持を得るのが、東京都江戸川区に本社を置くTT&カンパニーだ。同社が設立されたのは2000年、はじめはショベルヘッド以前のハーレーを専門に取り扱うカスタムショップとしてスタートした。
「最初の5年はカスタムオンリーでしたね。しかも車両の持ち込みはやらない。車検のみやオイル交換のみといったオーダーも受け付けない。当時は趣味を追求しすぎていたね(笑)」と、同社代表の高橋広之氏は振り返る。そんなTT&カンパニーが徐々に変わっていったのは、高橋社長の“モノづくり”へのコダワリがひとつの要因だ。
「バイクカスタムはもちろん好きだけど、小さいものを作るのも好き。小さい方が、次から次へと浮かんでくるアイデアをすぐにカタチにできるのが面白い」
そうして生まれたのがシルバーブランド「スカルチャー」だ。当時発表したシルバーリングは横浜ホットロッドカスタムショーで、かのジェフ・デッカー氏の目に止まり、彼のシフトノブとトレード。それが縁で、ソルトレイクシティにある自宅まで遊びにも行った。
「そのときにスタジオも見せてくれて、さらに工場まで連れて行ってくれたんです。そこで商品の作り方も全部見せてくれた。だからウチのシフトノブはジェフ・デッカー直伝……これは日本では作れない技術なんですよ」
近年、同社が力を入れているのがヘルメットである。そのキッカケは約6年前、他社のハーフヘルメットを扱ったことから。
「扱いはじめてすぐに、せっかくだから自分たちの製品として何か出そう、ということになった。そのときに僕の頭に浮かんだのが、アメリカで見た数々のビンテージヘルメットだったんです」
TT&カンパニー 代表取締役 高橋広之
生粋のバイカーでもある高橋社長は、TT&カンパニーを設立するはるか以前、26~7年前から毎年のようにアメリカに渡っていた。ネットもまだ普及していないころ、そこでは60~70年代のビンテージヘルメットが$3や$5で売られていたという。高橋社長は当時からそれらを買い、自分の趣味として集めていたのだ。
そうした“旧き良き時代”を知っていた高橋社長にとって、いまに続くビンテージヘルメット人気には、少なからず違和感があった。
「内装はグチャグチャでまともに被れない。だけど高いでしょ。しかも一部のジェットヘルメット以外は帽体がデカい。だからもっと小さくて日本人の体格にあったもの……もちろん新品で、価格もリーズナブルなものが欲しいと思ったんです」
こうして生まれたのが、大ヒットを記録するフルフェイスヘルメット、“トンプソン”である。
トンプソンの初お披露目は2008年12月に開催された横浜ホットロッドカスタムショー。製品はサンプルしか用意できず、各色1つずつの展示となったが、それでも会場では大反響を呼び、行列ができたという。しかも、ショー前日の搬入日には外国人ゲストにも絶賛された。
「『こんなヘルメットを待っていた』とか『よくぞ作ってくれた』なんて言われましたよ。これをキッカケに、TT&カンパニーの名前が世界に広がったのかな、なんて、いまにして思いますね」
実際、現在ではイギリスやイタリア、スペイン、さらに台湾や香港からもオーダーが入っている。今後は世界的なマーケットを視野に、さらに戦略的に販売網を広げたいと高橋社長は言う。
トンプソンからはじまったオリジナルヘルメットは、いまではフルフェイスが7モデル、ジェットヘルメットが10モデル以上、さらにハーフヘルメットも加わり、あらゆるバイカーが満足する豊富なラインナップを誇る。つねにハーレーを、そしてバイカーシーンを見続けてきたTT&カンパニーだからこそのアイテム群。今後も要注目である。
ヘルメットからレザーアイテム、
さらに金具まで、コダワリのデザイン!!
ヘルメットを中心に、非常に多くのラインナップを抱えるTT&カンパニーのアイテムたち。そのほとんどは高橋社長自らがデザインしており、自身が生粋のバイカーであるその感性は多くのユーザーの共感を得ている。デザインするものは基本的に、すべて自分の“物欲”に従っていると高橋社長。「自分が欲しい、身につけたい」と思うものを製品化するのがコダワリだ。もちろん、それは商品の詳細にまで及び、たとえばコンチョやホルダーなど、バッグの金具は70年代バイカーシーンをベースにすべて自社で作ったもの。スカルの不揃いな歯もすべて高橋社長コダワリのデザインなのである。では、それらTT&カンパニー自慢の品を、たっぷりと見て欲しい。
住所/東京都江戸川区江戸川2-8-16
電話/03-6638-8698
旧き良きアメリカンカルチャーを現代の日本人に合わせたオリジナルアイテムは、日本国内のみならず、いまや世界中で支持を受ける。細かな金具までにコダワリを見せる商品の数々は必見!