京都から神奈川まで連れられてきたスポーツスター XL883R が大きな変貌を遂げた。熟練の技術と経験、知識に秀でる HIDE MOTORCYCLE により、現行フューエルインジェクションモデルが「これほどまでに」と思わされる姿に。第1回から第3回にかけて、カスタムショップならではの着手ポイントや工程と、カスタムの各作業を見てきたわけだが、ついに完成と相成ったのである。
“百聞は一見にしかず”とはこのことで、「あの作業工程を経るとこういう姿になる」という、本企画の主旨を見事に具現化したスタイルに。最後まで読んでいただいた後、改めて第1回から見直していけば“お手本”と言っていい流れを味わえるだろう。
何をおいても“オーナーのバイクライフ”こそがカスタムの根幹となるのですが、最後に着手するビジュアル面についても、オーナーのライフスタイルをベースにアイディアを捻出します。今回は「シンプルながら、往年のハーレーを彷彿させるヴィンテージルックに」と考え、名車 XLCH アイアンスポーツ に取り入れられていたVチェッカーのデカールを使ったデザインに。そのうえで、アイアンのようなさわやかなブルーではなく、ブラックをベースにシルバーのラインを入れたシックなテイストとしました。実際に仕上がってきて車両にセットしてみると……ディーラーに展示されていても不思議ではないほどフィットしたスタイルに。
またBefore / After をご覧いただければ一目瞭然ですが、ヘッドライトからリアエンドにかけて描かれるアールが美しくまとめられました。タンクとシリンダーヘッドの間にある空間も消えてスマートに。早くオーナーに見ていただき、喜んでもらいたいですね。
計 約80万円
今回は製作期間が約一ヶ月と、カスタムプランの内容と期間を考えたらかなり早かったと言えますね。当ショップが提案している スポーツスターカスタムプラン に沿ってオーナーと打ち合わせ、プランを固めて進めてきたのですが、実際のところカスタムは天井知らずですから、まだまだ着手できるところはあるんですよね。このスタイルはある意味で“スタート”となるもので、ここからさらにどう煮詰めていくか、オーナーがそのバイクライフのなかから見出していく……その過程を楽しんでいただきたいと思います。そうすると、愛車にさらなる愛着が沸いて楽しさそのものが倍増しますので、アイディアに幅をもたらすためのご相談は随時お待ちしています。どうぞ気兼ねなくお越しください。