オーナーは、兵庫・高砂のペイントショップ Third-Eye (サードアイ) スタッフの真壁 寛さん。「以前から YAMAKAZE ENGINEERING (兵庫・加古川) のカスタムスタイルが好きで、ここにオーダーすることを前提に車両を購入しました」。“故障せずにしっかり走ってくれるラバーマウントのキャブレター車”という条件から、この年式のスポーツスターが選ばれた。「カスタムすることは決まっていたので、車種はなんでも良かったのですが、価格的なこともあります。ハーレーはボルトオンパーツでも高価なので、ワンオフパーツを作っても金額的に変わらない場合がありますからね」と真壁さん。
ワンオフのフォークカバーにクラシックな英車をイメージさせる超ワイドなハンドルバー、コンパクトにまとめたソロシート、そして「ハーレーにもこんなイメージが似合うんだ、というのを見せたかった」というシックなデザインのペイントと、ありとあらゆる部分にオーナー、そしてカスタムショップの個性がにじみ出ている。ヴィンテージ感を出すために前後をスポークホイールとし、元々ダブルディスクだったものをシングルにチェンジ。「これだったら、別に 883R がベースじゃなくても良かったですね(笑)」とオーナーは苦笑するが、ためらうことなく変更してしまうビルダーの想像力と腕には脱帽するばかりだ。
「ハンドルが驚くほどワイドですが、快適に乗れていますよ。でも、長距離を走ろうと思うと、フューエルタンクが小さいので予備タンクなしでは走れません(笑)」
今後の構想としては、もう少しデザイン性を強調できる大きめのフューエルタンクを製作する予定だとか。ここがワイドになるだけで全体の印象がガラっと変わるだけに、新しいスタイルがどんなものになるか、大変興味深い。