そのシルエットだけでハーレーと見分けるのは難しいだろう。ロケットカウル、フューエルタンク、シートカウルという3点からなるボディラインは、これまでのスポーツスターに見られなかったものだからだ。しかしこれはれっきとしたスポーツスター、それも2004年以降のラバーマウントモデルである。
「カフェレーサーという明確なテーマは決まっていました。先入観に縛られず、自分の頭のなかに浮かんだイメージをそのまま象ったのがこのキットです」
そう語るのは、このボルトオンキットを手がけた千葉・八街のカスタムショップ「シュアショット」の相川拓也氏。レーサーカスタムのハーレーをショーに持ち込んだり、また自らサーキット走行を楽しむなど、ハーレーで走ることを常に追求している御仁だ。そんな相川さんが手がけたマシンがただのボルトオンなわけがなく、ホイールサイズは前後18インチ化 & コンチネンタルタイヤ、ホンダ CBR900R用の正立フォークをワンオフのトリプルツリーでマウント、RSD製バックステップキットというチョイスなどなど、走らせても楽しい一台に仕上げている。
実際に袖ヶ浦フォレストレースウェイというサーキットに持ち込んで実走テストも敢行。そこで出てきた課題を克服し、フットワークをさらにバージョンアップ。その流れに合わせて、カフェレーサー用ボディキットの販売に漕ぎ着けた。ラバーマウント・スポーツスターならどれでも装着可能とのことで、やはりもっとも似合うのはXL1200R、XL883R、そしてXL1200CX ロードスターだろう。オリジナルペイントで彩れば、それだけで唯一無二のカフェレーサーができるにちがいない。